遺産の分け方はどのように話し合うのでしょうか?
相続人が複数いるときは、遺言で決めておくか、遺言が無ければ、
相続人全員による話し合いが必要です。
■遺産分割の3つの手続き
相続が発生しますと、被相続人の遺産は、いったん相続人全員の共有のものとなります。
この共有状態の遺産を各相続人に分けることを遺産分割といいます。
遺産分割の手続きには、指定分割、協議分割、家庭裁判所の審判の3つの手続きがあります。贈与することもできます。
【1】指定分割
まず、指定分割は、被相続人が、遺言で分割の方法を定める手続きです。遺言があれば、それによって指定相続分が決定します。
【2】協議分割
また、協議分割とは、相続人全員の話し合いによって分割する手続きをいいます。この話し合いのことを、「遺産分割協議」といい、相続人全員で行わなければなりません。
1人でも欠けている場合は、遺産分割協議は無効となります。相続人の中に未成年者がいる場合は、大人と対等に話し合うことができないため、家庭裁判所で選任された特別代理人が参加することになります。
なお、協議分割では、相続人全員で自由に分割してもよいこととなっており、法定相続分に従う必要はありません。
また、遺言がある場合であっても、遺産分割協議を行えば、遺言の指定相続分とは異なる分割を行うことができます。
遺産分割協議がまとまって相続人全員が合意すると、その内容を記載した「遺産分割協議書」を作成します。
【3】家庭裁判所の審判
しかしながら、相続人全員で話し合って合意することができないとき、または話し合いそのものを実施できないときには、家庭裁判所の審判によって分割が行われます。
■遺産分割の3つの方法
遺産の分割の方法には、現物分割、換価分割、および代償分割の3つの方法があります。
【1】現物分割
現物分割とは、相続分に応じて、相続財産を現物のまま分割する方法です。
例えば、土地と建物は奥さんに、現金は長男にというように分割されます。
【2】換価分割
換価分割とは、相続人全員が共有した遺産の全部または一部を売却し、現金で分割する方法です。
【3】代償分割
代償分割とは、相続人のうち特定の人が遺産の大部分を取得するとともに、その代償として、他の相続人に対して現金などを支払うことによって分割する方法です。